【Long distance call】

Tru ru ru ・・・・・chatt!

「Hello,I'd like to speake to Sanosuke……
Thank you for leaving your messege…」

「フフフ・・・・俺だよ。えらく慌ててるじゃないか。
ハハハ…少しは海外の気分でも味合わせてやろうと思ったのさ」

「えっ?冗談が過ぎる?」  
「アハハハ… 英語ぐらいでビビるお前じゃないだろう…?」

「ああ、商談は上手くいったよ。 日本の陶器はこちらでは人気があるようだ」

「えっ? 酔ってる…?」

「ああ、取引相手とさっきまで飲んでいたから…
ベランダに出て酔いを覚ましてる所さ…」

「…海からいい風が吹いてくる……」

「ん、南十字星が見えるよ」

「ここの気温か? 暑いな…」

「ああ、海にでも飛び込みたいぐらいだ…」

「そっちは寒いのか?
ああ、雪か……」

「えっ? 誘われなかったかって?
ハハハ……まさか……」

「周りはむさ苦しい男ばかりだ。
そんな心配は要らないさ…」

「ハハハ…俺なんかより金髪美人の方が みんな好みさ…」

「俺のことよりお前の方が危ないんじゃないのか?」

「ん? …なんだかどぎまぎしてないか?」

「アハハハ…冗談だよ。 少しも疑っちゃ居ないよ… ああ…判ってる……」

「帰りか? まだ帰れないよ。 そうだな……明後日には無理だな…」

「ん?」

「どうした? 急に不機嫌な声を出して……」

「約束? ああ……覚えてるさ…」

「うん、お前の誕生日には一緒に何処かで過ごそうと言ったことだろう?」

「ああ、忘れちゃ居ないさ…」

「えっ? 明後日に帰れないなら無理だって? ハハハ…」

「左之助…」

「TVボードの引き出しがあるだろう?」

「ああ、そうだ…うん…右の上の……」

「その引き出しの中に白い封筒が入っているはずだ…」

「そう…お前への宛名が書いてある…… 開けてみろよ」

「アハハハ……嬉しいよ、そんなに驚いてくれて…」

「少し早いが俺からのバースデープレゼントだ…」

「そう、それで飛んで来いよ…」

「ああ、到着する時には空港へ迎えに行くよ」

「えっ? ビザ?」

「ハハハ…大丈夫だよ。 お前のパスポートを見てみろよ。 ちゃんと取ってあるから……」

「ああ… お前のために 海辺のホテルも取ってあるさ……」

「…うん…イルカの島へ行こう……」

「ああ、イルカと一緒に泳げるさ…」

「お前のことだ、飛行機に乗り遅れるなよ」

「アハハハ…ああ…判ってる……」

「うん…待っているよ…… それじゃ……」

pu pu pu………


May your Happy Birthday
       be an exceptionally happy one!
              Sanosuke……